怒りとは苦しみであること

「怒りを覚える時には、私たちは苦しんでいるのです。あなたがそのことをほんとうに理解したら、相手が怒っている時は、その人が苦しんでいることを意味しているのだと理解するようになります。

誰かがあなたを侮辱したり、あなたに対して暴力的な振る舞いをするのなら、あなたには、その人が、その人自身の暴力と怒りで苦しんでいることを見極める知性が必要なのです。それでも私たちは忘れてしまいがちです。

私たちは自分だけが苦しんでいて、相手は自分を迫害する暴君なのだと思い込みます。これだけでも怒りが湧き起こり、罰したいと願う私たちの欲望を強化するのに十分なのです。

私たちは自分自身が苦しんでいるがゆえに、相手を罰したいと思うのです。こうして私たち自身が、相手と同じように自分自身の中に怒りを持ち、暴力性を持つようになるのです。

私たち自身の苦しみと怒りとは、相手の苦しみと怒りと、何一つ変わらないのだと理解する時、私たちはもっと思いやり深く振る舞うようになります。

つまり相手を理解することは、あなた自身を理解することであり、あなた自身を理解することは、相手を理解することなのです。

すべては、あなた自身から始めなくてはならないのです。」

ーティク・ナット・ハン