仏陀の目

マインドフルネスを実践する時、私たちは自分自身と周囲に、ブッダのエネルギーを生み出します。そしてこのエネルギーは世界を救うことができるのです。ブッダとは、一日中マインドフルでいられる人のことなのです。

 

私たちはただ、パートタイムのブッダであるだけなのです。息を吸って、そしてマインドフルネスのエネルギーと共に、私達自身のブッダの目を使いましょう。

 

私達が自分自身のブッダの耳をもって聴く時、コミュニケーションを取り戻し、大きな苦しみを和らげることができるのです。私達が自分の手にマインドフルネスのエネルギーを込めたなら、私たち自身のブッダの手が愛する人たちの安全と尊厳を守るのです。

 

自分自身の手を深く見つめて、そこにブッダの目があるかどうか確かめてみましょう。チベットや中国、韓国やベトナム、そして日本の寺院には千の手を持つ菩薩がいます──他者を助けるためには、それだけたくさんの手を必要とするのです──その一つ一つの手のひらに、それぞれ目があるのです。手は行動を象徴し、目は洞察と理解を象徴しているのです。

 

理解がなければ、私たちの行動は他者に苦しみをもたらしてしまいかねません。私たちが他の人々を幸せにしたいという欲求に駆られていても、私たち自身に理解がなければ、やればやるほど問題を起こすことになりかねないのです。私たちの愛が理解によってできたものでなければ、それは本物の愛ではありません。

 

マインドフルネスとは、私たち自身の手にブッダの目をもたらすエネルギーなのです。マインドフルネスが共にある時、私たちは世界を変えることができ、多くの人々に幸福をもたらせるのです。

 

これは抽象的な話ではありません。私たち一人一人が、日常生活のどの瞬間においても、マインドフルネスのエネルギーを生み出すことは実現可能なのです。

 

ーティク・ナット・ハン

 

画像: 『国宝 三十三間堂 千体千手観音立像』BS朝日