愛の礎

“仏教では、愛の土台とは理解だと学びます。理解なくしては、どんなに努力を重ねても、誰かを愛することはできないのです。もし「あの人を愛そうと努力してみせる」と宣言したとしても、それは意味をなしません。

 

愛するためにはその人を理解することが欠かせず、また理解することによって、その人を愛するのです。ブッダの教えで私が学んだのは、理解なしでは愛は不可能だということでした。

 

夫婦が互いを理解できなければ、愛し合うことはできません。親子が互いを理解できなければ、互いを苦しめ合います。つまり理解とは、愛の扉をひらく鍵なのです。”

 

━ティク・ナット・ハン

翻訳・西田佳奈子