「喜び、すなわちムーディタは本当の愛の3つめの要素です。愛とは喜びをもたらすべきものです。もし愛が涙だけをもたらすのなら、いったいなぜ愛するべきなのでしょうか。あなたが自分自身に喜びを与えれば、どう自分のパートナーや世界に喜びをもたらしたらいいのかが分かるのです。
ムーディタは同情的な、あるいは利他的な喜びとも訳されます。でも私はこの訳語が好きではありません。もしあなた自身の中に喜びがなければ、喜びを捧げることはできないからです。喜びはあなたのためであり、同時に私のためなのです。
真の実践者は自分自身にどうすれば喜びをもたらせるかを知っています。利他的な喜びについて語る必要はありません。喜びとはただそのままに喜びなのです。あなたが真に喜びに満ちていて、その喜びが健全なら、それは他の人のためになるのです。
あなたに喜びや元気や笑顔がなかったら、誰のためにもなりません。あなたが喜びと元気さを宿しているなら、たとえ何もしなくても、それは私たちのためになるのです。」
ーティク・ナット・ハン